今回の同人誌朗読事件の経緯
人気VTuberのさくらみこ、宝鐘(ほうしょう)マリン両氏の関連した同人誌騒動がいまだ波紋を広げています。
事件の発端は3月28日、両氏の合同企画である「#みこマリお泊りオフ × ときめきメモリアル2をクリア」(現在は非公開)という配信内で、さくらみこが同人誌を冷蔵庫内に隠し、それを発見したマリン船長が大笑いし、内容の一部を読み上げたというもの。
その同人誌が『機動戦士ガンダム』のBL本(アムロ×シャア)で、本の作者がTwitterで苦言を呈したところ、一部VTuberファンが作者を攻撃、それに対する批判もまきおこり大騒動になったのです。
ちなみに私は、買い専ではありますが、同人界隈にはけっこう長いこと関わっています。
あとマリン船長の配信もちょっと見ています。
同人誌を扱う際の難しさ
そもそもですが、同人誌というのは扱いが非常に繊細なシロモノです。
パロディ系やナマモノ系などは厳密に言えば法関係に触れることになります。
そのためにJ禁、P禁、オークション禁止などにより作者自身を、ひいては同人文化そのものを守ってきているのです。
言ってしまえば、内向き、閉鎖的な文化なのです。
最近は同人誌なんかの界隈もオープンになってきた印象があるけど、もともと限りなくグレーな世界であることを忘れちゃ駄目だぜ。
そして、ぶっちゃけて言ってしまえば、マリン船長の中の人はそのあたりの事情については詳しいはずであり、今回のようなことをすればどんな結果になるかは予想がついたはず。
にもかかわらず今回のような騒動を起こしてしまった理由として、以下のことが考えられます。
VTuberという立ち位置
VTuberであるマリン船長は、一個人の人格でありながら、消耗品(キャラクター)であるという、ややこしい立ち位置にあります。
マリン船長自身は、「(自分の)非合意の18禁絵も見たい」と言っているように、自分自身が消費される存在ということを自覚しています。
それ故に、「自分はここまでされてもよい」という線引きが、無意識のうちに他者にまで伸びてしまったのではないかと思えます。
おそらくマリン船長は、自分自身が描かれている18禁同人誌を朗読されても、抗議するどころか喜ぶでしょう。
それは自分自身が商品であり、露出する事によってマーケットの拡大につながるからです。
しかし大部分の同人作家は違います。作品は出すが、変に大きな注目は浴びたくない、静かに活動したいと思う人が大半です。
ましてや自分の同人誌を朗読されても、晒し者になるという感覚こそあれ、売上アップになって喜ぶなんて人は少ないです。
盲目的な擁護は益にならない
今回の騒動で目立ったのが、同人誌の作者に攻撃を行った一部のファン(いわゆる信者)でしょう。
さくらみこ、宝鐘マリン両氏の謝罪動画のコメント欄にもこういった人たちはわいており、VTuber本人が謝罪の意思を示して事態の沈静化を図っているのに、その意図を理解せずひたすらにVTuberを持ち上げています。
今回の事件で誰が悪いかと言えば、第一に上がるのがもちろん「同人誌を無断で読み上げた」さくらみこと宝鐘マリンの両氏です。
Twitterで不満を漏らした作者に対し、両氏が謝罪すれば、この問題はそこで終わるはずでした。
にも関わらずこんな大事になってしまったのは、被害者である同人誌の作者に対して突撃・攻撃を行って炎上させた「信者達」によるものです。
自分たちがVTuberの立場を悪くし、配信の自粛・謝罪にまで追い込ませたにもかかわらず、その自覚もなく、いまだに「君は悪くないよ、相手が悪いんだよ」を繰り返す様は、VTuberに対する深い依存を思わせます。
自分たちがVTuberを悪い立場に追い詰めているという自覚がないんだね。
「お前のため」が口癖の毒親みたいなもんだな。
現在(4月6日)の所、VTuberの両氏と同人誌の作者との間では話し合いによる決着が付き、削除されたアーカイブの再公開なども検討されているそうです。
ただでさえ炎上しやすい(というか燃やすための火種を探されている)VTuber界隈、より繊細に注意深く配信を行ってほしいものです。
コメント
作者の告知用Twitter見てから判断した方がいいと思われます。
作者が同人誌を褒められて喜んだというエピソードもありますので、もう少し冷静に事実を確かめてください。お互いに不必要な恨みを募らせるのは得策ではありません。
こんにちは、コメントありがとうございます。
作者の方の告知用アカというのは、今のところこちらになるでしょうか。
https://twitter.com/n72699389/
以前のアカウントは見られないため、「褒められて喜んだ」というシーンは確認できませんが、もし分かれば追記修正したいと思います。
>お互いに不必要な恨みを募らせるのは得策ではありません。
これに関しては全く同意です。
煽るような文面に見えたなら申し訳ありません。
Vの両氏と作者との間では和解されているとのことですので、この点に関しては事の推移を見守るのみです。